フレイルは要介護状態になる手前

高齢者は突然に要介護状態になるわけではなく、その過程でフレイルという状態を経ています。フレイルとは、健常者から要介護者に移行する中間段階のことで、身体的な側面と精神的な側面があります。身体面では、年齢を重ねるたびに筋肉量が衰えて、運動することが少なくなったりめったに外出しなくなるなど身体的な衰えを指します。こうしたフレイルの時期を経て要介護状態になるといわれています。精神面では、認知症やうつ病などの精神的な問題を指します。このようなフレイルの概念が、日本では2014年に導入されました。

フレイルを予防する方法はさまざまで、1つは持病の治療です。糖尿病や腎臓病などの慢性疾患を持ってい人は、症状が悪化すると身体が動かなくなるようになります。かかりつけの病院があれば医師に相談して、常に状態を確認しておきましょう。また、普段から運動を適度にすることも大切です。運動は生活習慣病の改善にもつながり、衰えた筋肉を取り戻すこともできるかもしれません。それから、食生活の見直しも重要です。栄養バランスの整った食事を食べて身体の維持に必要な栄養素を摂取して、栄養状態を保ちましょう。

他にも、社会との関わりを持つことも効果的な予防方法です。定年退職すると会社との関わりが減り社会とのつながりを失いやすいです。そこで外出する機会も失われて、家に引きこもりがちになってしまいます。これはフレイルの助長になるので、知人や友人と定期的に一緒に食事をとる約束をしたり地域コミュニティに参加してみましょう。